
誰かにことづてするように
庭の紫陽花は雨にぬれて咲いています
紫陽花はマリンブルーで
私をくすぐり物語を繋いでいきます
遠い人を思い出していると
カタツムリが
ぬれた紫陽花の葉にレールを引いていきました
ふとあの日の匂いが あの日の風が
のみ込んだあの日の思い出が集まります
雨にぬれた梅の実が
梅雨の指先で熟れていきます
色づいた梅の実がポトンと落ちて
私の残された時間を知らせています
梅雨に咲く紫陽花 熟れた梅の実
優しい時間を見ているはずなのに
今日は哀しく思われるのは
人との距離が遠くなっているからでしょうか
こみあげてくる細かい葉脈のような感傷は
七十数年の私につらなっていきます